TikTokのレコメンドシステムの概要
TikTokの「おすすめ」フィードの仕組み
TikTok上のコンテンツに対してアクションすることで、ユーザーは興味関心に関する様々な指標をTikTokに提供しています。TikTokのレコメンドシステムでは、こうした指標を活用してユーザーにとってどのような種類のコンテンツが有用かを把握しています。よって、さまざまな動画の評価スコアを作成するためにこうした指標が使用されています。この評価スコアは、動画に対してユーザーが何らかのアクションを行う可能性を表す推定値で、スコアが最も高い動画が「おすすめ」フィードに表示されます。ここからは、「おすすめ」フィードに表示される各要素の概要を紹介します。
ユーザーから提供される指標
TikTok上のコンテンツに対して何らかのアクションを行った際にユーザーから提供される指標には、動画の視聴・いいね・共有など、さまざまな要素が含まれます。TikTok上のコンテンツに対して何らかのアクションを行うことで、ユーザーにとって関連性が高く、有用なコンテンツをシステムに知らせることになり、ユーザー一人ひとりに合わせた「おすすめ」フィードを提供します。レコメンドシステムで利用されている主な指標の例については付録を参照してください。
評価
レコメンドシステムでは、ユーザーから提供された指標を使用することで、ユーザーにとって有用なコンテンツを予測しています。こうした予測では、いいね・共有・コメント・スキップする可能性など、特定の動画に対して何らかのアクションを行う可能性を推定します。こうした各操作の予測スコアを組み合わせることで、各動画の全体的なスコアを算出しています。スコアが高いほど、ユーザーの好みに近いということになります。レコメンドシステムの主な予測の例については付録を参照してください。
ランキング予測スコアが高いものから順番に動画が並べられ、ランキングが作成されます。おすすめされる前に最終的な類似性チェックをクリアしていることを条件に、ランキング上位の動画から「おすすめ」フィードが作成されます。
類似性チェック
「おすすめ」フィード内の前後の動画の内容にどの程度違いがあるかを調べ、コンテンツの類似性をチェックします。ユーザーの好みに近いとシステムで判断した一部の動画同士、片方の動画を別のものに置き換えることでユーザーに表示されるコンテンツの多様性を確保しています。同じようなテーマの動画がユーザーに繰り返し表示される機会を減らし、さまざまなタイプのコンテンツを見つけて楽しんでもらえるよう、このような取り組みを行っています。
レコメンドシステムを安心して利用してもらうための取り組み
コミュニティガイドライン
TikTokのコミュニティガイドラインでは、TikTokを安心・安全に利用していただくことを目的に、それに反した許可されないコンテンツ等を厳しく定めています。このガイドラインでは、10代からご年配の方まで幅広い年齢層の方を対象とした「おすすめ」フィードに表示されないコンテンツのカテゴリについても説明しています。TikTokのコミュニティガイドラインの実施に向けて、当社では機械学習モデルとモデレーターによる審査を組み合わせて運用しています。ユーザーが、当社のルールに反すると思われる動画を見つけた場合は、対象の動画を長押ししてポップアップメニューから「報告する」を選択することで、審査を担当するモデレーションチームに動画を送信できます。
未成年者の安全
当社ではユーザーの安全を何よりも重視しているため、TikTokを利用する10代のユーザーにはその年齢に適した体験を提供しています。TikTok上で共有されるさまざまなコンテンツが多様性に富む体験をもたらしていることは当社でも認識していますが、それらすべてが若い世代のユーザーに適しているとは限りません。TikTokでは、明らかに成人向けのコンテンツは制限されています。成人向けのコンテンツは13~17歳のアカウントは視聴できず、18歳以上の成人のみが視聴できます。さらに、16歳未満のユーザーのアカウントで作成されたコンテンツはいずれも「おすすめ」フィードの対象になりません。
コンテンツをおすすめする際には安全を最優先
レコメンドシステムではユーザーが興味を持つコンテンツを予測しますが、そのコンテンツがコミュニティガイドラインに従っているかどうかをモデレーションシステムによって判断します。その結果、安全を最優先にしながらユーザー一人ひとりの興味に合わせたコンテンツを「おすすめ」フィードに表示することができます。
- 違反コンテンツを削除し、幅広いユーザーに適していないコンテンツをおすすめの対象から除外することが私たちのモデレーションシステムは、ガイドラインに違反するコンテンツを削除すると共に、幅広い視聴者に不適切なコンテンツをおすすめの対象外にするように機能しています。モデレーションを通過した動画のみを、「おすすめ」フィードの対象としてふさわしい動画のプールに追加します。
- 予測スコアを使用することで、承認された動画のなかからユーザーに有用であろうものをレコメンドシステムでは選択しています。
ユーザーが「おすすめ」フィードを管理する方法
TikTok上のコンテンツに対して何らかのアクションを行うことでユーザーから提供される指標に加え、おすすめされるコンテンツの種類をユーザーが細かく管理できるツールも当社では用意しています。
- 興味がない:「おすすめ」フィード内の動画を長押しし、ポップアップメニューから「興味ありません」を選択できます。この操作により、このタイプのコンテンツに興味がないことが当社に通知されます。それを受け、当社ではこうしたコンテンツをフィードでおすすめする量を制限します。
- 動画キーワードフィルター:「おすすめ」フィードから除外したいキーワードを追加(単語とハッシュタグどちらでも可)できます。
- 「おすすめ」フィードの更新:新しいコンテンツを見つけられるよう、「おすすめ」フィードを更新することでこれまで見たことのないTikTokの新たな一面を発見できます。
補足
「おすすめ」フィードにおいてユーザー一人ひとりに合わせたコンテンツを提供するためにシステムで利用している、さまざまな指標やアクションに関するインサイトに関するリストの一部を以下にまとめました。当社のシステムに入力される指標は状況に応じて変化し、ユーザーの興味の変化やエコシステムの成長を促進するために絶えず更新されています。詳細については、ヘルプセンターでTikTokがコンテンツをおすすめする仕組みの最新情報をご確認ください。TikTokでは次のようなさまざまな要素に基づいて「おすすめ」フィードをパーソナライズしています。
- ユーザーの居住地域(現地の習慣や文化に合わせておすすめするため)
- ユーザーのデバイスに設定されている言語
- ユーザーのデバイスのオペレーティングシステム
- ユーザーインタラクション(視聴・視聴完了・いいね・スキップした動画など)
- TikTok上での他のユーザーとのフォロー関係
システムではユーザーが以下を行う可能性など、さまざまな操作を予測します。
- 動画をいいね・共有・コメントしたり、動画を「興味がない」としてマークする
- 動画の作成者をフォローする、または作成者のプロフィールを見る
- 動画を視聴完了する・スキップする・お気に入り登録する
- 動画を一定時間視聴する
- 動画のサウンドトラックをタップする
コンテンツへの何らかのアクションによって作成される指標に加え、次のような動画に関するさまざまな指標も考慮されます。
- 動画が投稿された時間
- 動画投稿元の地域
- 動画の作成者の言語設定
- 動画のサウンドトラック
- 動画の長さ
- 動画に関連付けられているハッシュタグ